循環器内科
心電図異常を指摘されたら
心電図異常とは
心電図は、心臓から出る微弱な電気信号をとらえて心臓の状態を調べる検査です。心電図のトゲのように見える波形1つ1つが心臓の1回の動きです。
心臓の細胞が傷んでしまったり負担がかかっている場合には、この波形の形が変わります。また、心臓の動きが速くなる(頻脈)とトゲとトゲの間隔が短くなり、遅くなる(徐脈)と長くなります。ふつうは1秒間くらいの等間隔で波形が出ますが、不整脈などで脈にバラツキが出た場合には、トゲの間隔がバラバラになります。
心電図異常を指摘されたら
健康診断や人間ドックなどの心電図検査で異常を指摘される事は多いと思います。職場健診を受けた35歳以上の成人6-8人に1人が心電図異常を指摘されているという報告もあります。ただ、心電図検査に異常があるからと言って、心臓に病気があるとは限りません。むしろ問題のない場合の方が多いです。健康診断などの心電図は、病気の可能性がある方々を広く探し出すのが目的の入り口となる検査です。心臓の病気では突然死など命に係わる事があり、見落としの方が危ないので、少しでも怪しい所見は異常となります。
したがいまして、心電図で異常を指摘された場合には、実際に心臓に問題あるかどうか精密検査が必要になります。よく行われる検査は心臓超音波検査(心エコー)と24時間心電図(ホルター心電図)です。心エコーでは心臓の動きが正常かどうか、心臓の中の血の流れに問題がないか等を超音波(痛みはありません)を使って調べます。心筋梗塞や心筋症では心臓の動きが悪くなりますし、弁に問題のある場合は狭窄や逆流が起こります。心臓は1日約10万回動いており、普通の心電図検査では、このうち10~60秒ほどを記録しているのみです。1日10万回すべての波形を調べるのがホルター心電図です。小さな心電図(3×4cmくらい)を取り付けて帰って頂き、次の日に外し解析します。健診でたまたま不整脈が出ている部分が記録されたものの、1日でみると不整脈の数は極わずかで問題のない場合も多いです。むしろ丸1日で全く不整脈の出ない方は珍しく、ふつうの方でも少しは出ているので、心配は要りません。逆に思ったより重篤な場合もあります。
あと、心臓以外の原因で心電図の異常が出ている場合もあり、採血検査なども行う事もあります。
もし精密検査で問題があれば、薬物治療やCT・カテーテル検査といったさらに大掛かりな検査となります。軽い異常であれば、1年に1回などの経過観察となります。
心エコーやホルターECG・採血検査等は当院で実施可能です。CT・カテーテル検査などが必要となった場合は連携している総合病院に依頼します(御希望あれば他の病院も可能です)。心電図異常を指摘された際には御相談下さい。